バイトの履歴書の特記事項とは?書くことと例文、書くことがないとき

この記事の結論
特記事項は、ほかの欄に書けなかったことのうち、採用する側が事前に知っておくべき事情を書く欄です。アルバイトでは、掛け持ちをしている、引っ越しの予定がある、働けない期間が決まっている、などが当てはまります。書くことがなければ「特になし」と書きます。特記事項の欄が無い様式では、本人希望記入欄に書きます。
特記事項は「知っておいてほしい事情」を書く欄
特記事項は、履歴書のほかの欄には当てはまらないけれど、採用する側が事前に知っておくべき事情を書く欄です。市販の履歴書の中には、本人希望記入欄とは別に「特記事項」の欄を設けているものがあります。
一方、厚生労働省が示している履歴書の様式例には、「特記事項」という名前の欄はありません。この様式では、同じような事情は本人希望記入欄に書きます。使っている履歴書に特記事項の欄があるかどうかで、書く場所が変わると考えてください。
大事なのは欄の名前ではなく、「書いておかないと、あとでお店が困ること」を先に伝えることです。採用されてから「実はほかのバイトもしていて…」と伝えるより、最初に書いておくほうが、お店も調整しやすく、信頼にもつながります。
アルバイトの特記事項に書くこと
アルバイト・パートの応募で特記事項に書くことが多いのは、次のような事情です。
書くことと記入例
| 事情 | 記入例 |
|---|---|
| 掛け持ちをしている | 現在、別の店舗でアルバイトをしています(週2日・土日)。 |
| 引っ越しの予定がある | 12月に〇〇市へ転居予定です。転居後も通勤時間は30分以内です。 |
| 働けない期間が決まっている | 2月の試験期間(2週間程度)は勤務を控えさせていただきます。 |
| 勤務を始められる日が先 | 現在の勤務先を10月末で退職予定のため、11月1日から勤務できます。 |
| 扶養の範囲で働きたい | 扶養の範囲内での勤務を希望いたします。 |
| 連絡のつきやすい時間 | 平日の日中は授業のため、18時以降にご連絡いただけると助かります。 |
どれも、事実と、仕事への影響を短く書くのがコツです。理由を長く説明したり、謝ったりする必要はありません。
書き方の基本の形
特記事項は、文章の上手さより、読んですぐ分かることが大切です。次の形を守ると、短くても伝わります。
- 1つの事情につき1〜2文:事情が2つあるなら、改行して分けます。
- 「事実」→「働き方への影響」の順:「〜しています。そのため〜は難しい状況です」「〜の予定です。〜からは勤務できます」と続けます。
- です・ます調で書く:「〜なので無理」ではなく「〜のため難しい状況です」と書きます。
- 日付や曜日は具体的に:「近いうちに」「たまに」ではなく、「12月に」「毎週火曜日」と書きます。
事情が2つあるときの記入例
現在、別の店舗で週2日(土日)アルバイトをしています。
来年3月に〇〇市へ転居予定ですが、転居後も通勤時間は30分以内です。
事情別の書き方のポイント
掛け持ちをしている
掛け持ちしていることは、隠さずに書きます。お店にとって知りたいのは「どの曜日・時間ならうちで働けるか」と「ほかの仕事の都合で急に休むことはないか」の2点です。今のアルバイト先で働いている曜日を書き、応募先で働ける曜日と重ならないことを示します。
記入例
現在、別の店舗で土日にアルバイトをしています。貴店では平日の月・水・金に勤務できます。
引っ越しの予定がある
引っ越しの予定は、通勤できるかどうかに関わるので書いておきます。いつ、どこへ引っ越すかと、引っ越したあとも通えることを書くと、お店も安心できます。
記入例
来年3月に〇〇市へ転居予定です。転居後も電車で20分ほどで通勤できるため、継続して勤務できます。
家族の介護や通院がある
決まった曜日・時間に抜ける必要があるなら、その曜日と時間だけを書きます。介護や通院の詳しい事情まで書く必要はありません。
記入例
家族の通院の付き添いのため、毎週火曜日の午前中は勤務が難しい状況です。それ以外の曜日は対応できます。
留学や長期の予定がある
半年後に留学する、数か月後に就職が決まっているなど、働ける期間が決まっているなら、最初に書いておきます。期間が短いことを隠して採用されると、お店が教育にかけた時間がむだになり、トラブルのもとになります。短期間でもよい求人を選ぶか、期間を伝えたうえで応募します。
記入例
来年8月から1年間の留学を予定しているため、来年7月末までの勤務を希望いたします。
面接で事情を聞かれたら
特記事項に書いた内容は、面接で詳しく聞かれることがあります。そのときは、書いた内容と同じことを、少しだけ具体的にして答えます。
- 事情そのものより、働き方への影響を中心に話す:「火曜の午前は難しいですが、それ以外の曜日は大丈夫です」のように、できることを先に伝えます。
- 言いにくいことは、言える範囲で:家庭の事情や体調のことは、仕事に関係する範囲だけ話せば十分です。
- 変わる可能性があれば、それも伝える:「来年の春からは土日も入れる見込みです」のように、先の見通しがあれば添えます。
特記事項に書かなくてよいこと
- 自己PRや意気込み:「何事にも一生懸命取り組みます」などは、志望動機・自己PRの欄に書きます。
- 家族構成や本籍:厚生労働省は、本人の適性や能力と関係のないことを採用の判断に使わないよう求めています。聞かれていないのに書く必要はありません。
- 前の職場を辞めた詳しい理由:特記事項に書くことではありません。聞かれたら面接で、前向きな言い方で答えます。
健康のことは、書く義務はありません。ただ、重いものを持てない、長時間の立ち仕事が難しいなど、仕事に直接関係することがあるなら、働き始めてから困らないように、書いておくか面接で伝えておくほうが安心です。
書くことがないときは「特になし」
伝えておくべき事情がなければ、「特になし」と書きます。空欄のまま出すと、書き忘れたのか、書くことがないのか区別がつかないためです。
記入例
特になし
特記事項の欄に、無理に何かを書こうとして自己PRを詰め込むのは逆効果です。欄の役割と違う内容が入っていると、読む人は戸惑います。
本人希望記入欄とどう分けるか
特記事項の欄と本人希望記入欄の両方がある履歴書では、次のように書き分けます。
- 本人希望記入欄:希望職種、勤務できる曜日・時間帯、週の勤務日数など、働き方の希望
- 特記事項:掛け持ち、引っ越し予定、働けない期間など、知っておいてほしい事情
本人希望記入欄だけの様式なら、希望を書いたあとに、事情を1〜2文続けます。シフトの希望の書き方は本人希望記入欄の書き方、掛け持ちの書き方は掛け持ちの履歴書の書き方で詳しく説明しています。
出す前に確かめること
特記事項を書いたら、出す前に次の3つを確かめます。
- 本人希望記入欄や志望動機と矛盾していないか:特記事項に「火曜は難しい」と書いたのに、本人希望記入欄で火曜日を選んでいる、といった食い違いがないようにします。
- マイナスの印象だけで終わっていないか:「〜はできません」で終わらせず、「〜ならできます」まで書けているかを見ます。
- 面接で同じ説明ができるか:書いた内容について聞かれたとき、同じ説明ができるかを考えておきます。
履歴書バイトで作る場合
このサイトの作成ツールは、厚生労働省の様式例に沿った履歴書を作るため、「特記事項」という名前の欄はありません。伝えておきたい事情は、様式に合わせて次の欄に書きます。
- 「写真あり」「写真なし」の様式:最後の「シフト・希望条件」の画面にある本人希望欄に、希望のあとに続けて書きます。
- 「バイト用」の様式:曜日・時間帯などを書く欄だけで、自由に書ける本人希望欄はありません。事情は、志望動機の欄の最後に1文で添えてください。勤務を始められる日は、専用の「勤務開始できる日」の欄に書けます。